ジブリ映画「魔女の宅急便」は、「思春期」がテーマとなっています。飛ぶことを夢見る少年につきまとわれてうんざりしつつも、気になったりするのはまさに思春期の表れといえます。物語の中盤でキキが飛べなくなったのも思春期が原因といわれています。実は、頭の大きなリボンは思春期を表しているという設定があります。
しかし、単に思春期といっても、成長をしているわけです。物語の最初に、キキがお父さんに高い高いをねだるシーンがあります。これはキキの成長を表す伏線となっています。まだお父さんと一緒にいたい、一緒に行きたいという気持ちが表れています。そしてその可愛い娘に応じてしまう親の、エンディングテーマである「やさしさに包まれたなら」のような愛情がキキを駄目にしてしまうという風刺を描いています。しかしその後、キキの「海の見える街」で修行をするうちに、成長したのです。キキが熱で寝込んでしまい、ご飯をくれたオソノさんが部屋を出るとき、「オソノさん」と、前半の「お父さん」のように呼ぶシーンがあります。オソノさんは「ん?」と言いますが、キキは「ううん、何でもない」と返します。前半のキキなら「もうちょっとここにいて」と言っていたでしょう。しかしキキは成長し、進歩したのです。ちなみに「海の見える街」は、魔女の宅急便の代表的な曲の一つとなっています。「海の見える街」 - ファイルシェア
この映画のキャッチコピーは「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」となっています。
映画後半で流れる音楽、「仕事はじめ」は、「元気になれそう」とも言われます。「仕事はじめ」 - ファイルシェア
そして「元気になれそう」という単行本も発行されています。前置きが長くなりましたが、今回は、この本を紹介したいと思います。
この本は、角野栄子さんの作「魔女の宅急便」を映画化するにあたり、宮崎駿さんが書いた詩と、スタジオ・ジブリの作画スタッフが描いたイメージボードによって構成したものです。ちなみに「元気になれそう」(絵コンテ全集)もあります。
この絵を見て、何がすごいかというと、これを何も見ずにパパっと書いているということです。前回も紹介したように、宮崎駿は、絶対に写真や資料を見て書くなとスタッフにいつも言っているそうです。一応前回載せた動画を載せておきます。
そして今回の本題はこちら。「元気になれそう」の中のイメージボードです。この頃はまだキキのデザインがしっかり決まっておらず、リボンや髪の色などもいろいろです。映画では前半のピンクのエプロン姿と、中盤からの黒いワンピース姿のキキしか描かれていませんが、実はキャラクターデザインの初期には私服ver.があったのです。他にもパジャマ姿やキャミソール姿もデザインされていました。詳しくはこちら
あ、ちなみにこれ全部Google画像からとってきています。
あと後半の方は「元気になれそう」と関係ないです。
このサイトが多くの高画質の魔女の宅急便の画像を持っています。
最後のこれ↑マジ最高