そもそもこれらはエンタルピーと絡めて理解しないと混乱します。第一イオン化エネルギーと電気陰性度は逆、などと認識していればそれは大きな誤解です。むしろ逆で表現を揃えているのです。
その前にエンタルピーにおいて一言アドバイスをすると、エンタルピーは矢印の向きに慎重になるとよいです。結合エンタルピーだけ逆であると。
また、大前提として、不安定なほどエネルギーが大きいです。これは物理でも何でもです。
では本題。
電気陰性度は原子が結合電子を引き付ける強さを示す尺度。電子式から酸化数を求める時に使える。Fが最大。電子欲しい!!
貴ガスは非常に安定で他の原子と結合しないため定義できない。
電子親和力は電子を一個取り込んで、一価の陰イオンになる時に放出されるエネルギー(陰イオンになるときにエネルギーを出す)。つまり陰イオンのなりやすさ。
最大はCl※電子が入ろうとしても、Fは最外殻がL殻で狭く、電子同士の反発を受ける。よってClが最大になる。
貴ガスはほぼ0。
第一イオン化エネルギーは一価の陽イオンになる時に必要なエネルギー(陽イオンになるときにエネルギーをもらう。つまり陽イオンになりにくさ。(※本来イオン化することで貴ガスの構造をとり安定化するが、エンタルピーで考えるとエネルギー大きい(上の)方の不安定なものになっている気がする。しかしこれは、このとき放出されるe⁻が単独ではかなり不安定なので全体としてはエネルギーが増えるのである。また、片方だけe⁻残ったら問題が成立しないので格子エンタルピーの問題は第一イオン化エネルギーで上に、電気陰性度で下に行って、e⁻を打ち消す。)。
最小は一番左下のFr。最も陽イオンになりやすい。
最大は貴ガス。He。
※↑上2つ、エンタルピーを考えた時にどちらも「原子→イオン」の向きのエンタルピーを示すためにこのような表現になっている。格子エンタルピーは「原子(気)→イオン(気)」