組成式は、元素の種類と比を示す式です。
これまで習った化学式は物質に含まれている元素の種類と数を表していますが、組成式は化学式の一種ではなく、区別して定義されているものです。
例えばC4H8O2という化学式で表される物質があったとすると、炭素と水素と酸素の数の比は2:4:1で、組成式にするとC2H4Oになります。
一方、C5H12Oという化学式の物質については、炭素と水素と酸素の数の比は5:12:1です。 この場合には、組成式もC5H12Oとなり、化学式と組成式は同一になります。
物質に含まれている元素の数と、それらの比が一致するときには、化学式と組成式が同じになるのです。
組成式のほかにも、化学式について話題にするとき、よく登場する式が分子式です。
分子式は、組成式とは異なります。 分子式は、その名の通り、分子の化学式のことです。
分子とは、原子が結合してできた物質の最小単位を示しています。
例えば、空気を構成している主成分である窒素は、窒素原子が二つ結合することによりN2という窒素分子を形成しています。 酸素についても同様に、酸素原子が二つ結合してO2という酸素分子となっています。
このN2やO2は、それぞれ窒素分子、酸素分子の分子式です。
これに対して、例えば鉄の場合には、原子が構成単位となっていて化学式はFeになり、分子ではないので分子式はありません。
このような単一の元素で構成されている物質について、組成式を問われることはあまりありません。 ただし、厳密に表現するなら、窒素分子はN、酸素分子はO、鉄はFeになります。
また、陽イオンと陰イオンの組み合わせで作られている金属塩(イオン結合)についても同様です。 例えば、塩化カリウムはKClが化学式ですが、分子式はなく、組成式は化学式と同じKClになります。
出典:組成式とは?分子式との違いも解説!一覧表つき!|高校生向け受験応援メディア「受験のミカタ」 (juken-mikata.net)
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