酸 ・・・水に溶けてH⁺(正しくはH₃O⁺)を出す物質
塩基・・・水に溶けてOH⁻を出す物質
電離度・・・その溶けやすさ、どれだけの割合で溶けるか
電離度α=電解した電解質の物質量 / 溶解した電解質の物質量 (0<α≦1)
電離度によって酸・塩基の強弱(pH)が決まる(詳しくは酸性・塩基性の見分け方)
水素イオン濃度(pH)
水のpHが7の理由・・・水も H₂O⇄H⁺+OH⁻ のように電離しており、
その値が25°の純水で、[H⁺]=[OH⁻]=10⁻⁷mol/L であるから。
※[ ]はモル濃度(mol/L)を表す
pHの求め方・・・
テスト範囲外なので割愛
中和・・・酸 + 塩基 → 塩 + 水
酸と塩基が反応し、互いの性質を打ち消し合う反応。
酸から生じたH⁺と塩基から生じたOH⁻からH₂Oが生成する
例:H●+OH◆→◆●+H₂O
酸 塩基 塩 水
※アンモニアの反応では、H₂Oを生成しない。
例:NH₃+HCl→NH₄Cl
塩基 酸 塩
酸・塩基の強弱は関係ない!
中和滴定・・・濃度不明の酸/塩基の溶液と、標準溶液(濃度のわかっている溶液)との中和反応の量的関係から、濃度を求める
実験器具・・・省略
二段階中和(二段滴定)・・・2価の酸や塩基には中和点が2コあるということを利用した中和滴定
(1つのH/OHが中和したのち、2つ目のH/OHが中和)
例:Na₂CO₃(炭酸ナトリウム)の二段滴定
第一中和 Na₂CO₃+HCl→NaHCO₃+NaCl (CO₃²⁻→HCO₃⁻)
第二中和 NaHCO₃+HCl→NaCl+H₂O+CO₂ (HCO₃⁻→H₂O+CO₂)
まとめて NaHCO₃+2HCl→2NaCl+H₂O+CO₂ (CO₃²⁻→H₂O+CO₂)
混合水溶液の中和(滴定)
塩基性の強いものから順に反応
例:NaOHが反応したのちNa₂CO₃が反応 NaOHの方が強塩基で陰性が強く、優先的にH⁺が引き寄せられる
滴定曲線・・・中和滴定において、加えた酸または延期の体積と混合溶液のpHとの関係を示した曲線。
酸に塩基を加える→右上がり
塩基に酸を加える→右下がり
弱酸と弱塩基の滴定は指示薬の変色域でpHジャンプが起こらないので測定不可能
指示薬・・・pHジャンプで色が変わるものを用いる
酸の指示薬 フェノールフタレイン 変色域:pH3.1(赤色)~4.4(黄色)
塩基の指示薬 メチルオレンジ 変色域:pH8.0(無色)~9.8(赤色)
酸の指示薬だからと言って酸で使うわけではない、pHジャンプが酸寄りで起こるときに使うというだけ。
中和点・・・おおよそpHジャンプの真ん中、pH=7とは限らない。pHジャンプもpH=7を通るとは限らない。ただpHが急激に変化する場所。
pHジャンプ・・・中和付近のpHが急激に変わるとき
計算・・・酸の出すH⁺の物質量(mol)=塩基の出すOH⁻の物質量(mol)
→価数×モル濃度[mol/L]×体積[L]=価数'×モル濃度'[mol/L]×体積'[L]を計算する
ここで使う価数・・・H⁺/OH⁻になれるH/OHの数
例: 1価の弱酸:CH₃COOH , 2価の強酸:H₂SO₄
2価の弱塩基:Fe(OH)₂ , 3価の弱塩基:Fe(OH)₃
※1価の塩基:NH₃(アンモニア)
水の中で NH₃+H₂O⇄NH₄⁺+OH⁻ となるため1価の塩基
酸、塩基、中和や価数、pHの話は、電解質が水の中で電子が動いてイオンになったりそのイオンが結合したりしている話であることを確認!
遊離・・・弱酸の塩 +強酸 → 強酸の塩 +弱酸
例:CH₃COONa+HCl→NaCl+CH₃COOH
※遊離する弱酸がそのまま水溶液中に存在できないときは、気体として発生することが多い。結果水が発生する。塩が含まれているため、中和ではないことに注意。
例:Na₂SO₃+H₂SO₄→Na₂SO₄+SO₂↑+H₂O
弱塩基の塩+強塩基 → 強塩基の塩+弱塩基
例:NH₄Cl+NaOH→NaCl+NH₃+H₂O
強酸の塩+弱酸→反応しない
例:NaCl+CH₃COOH→×反応しない
強塩基の塩+弱塩基→反応しない
強い奴が弱い奴が塩を独り占めしてるのを追い出す!
上記の性質の組み合わせの場合は遊離→塩にかかる酸・塩基の性質と強弱を見分ける必要あり!
※ここで言う、例えば、弱酸の塩とは、弱塩基や強塩基が含まれていても弱酸が含まれていれば弱酸の塩、その塩が水溶液で酸か塩基かは遊離に関係ない
→塩に強酸/強塩基のどちらがかかっているのかを見て、その性質の塩が何でできているのかを考える
強い酸/塩基が、弱い同じ酸/塩基を含んだ塩にかかっていれば遊離反応。塩ではあるが同じ性質の酸/塩基が弱くなければ反応しない。
酸性・塩基性と強弱の見分け方
酸・塩基の性質と強弱
電離度から見分ける方法:
・強酸/強塩基…電離度αが1に近いもの(水中で完全電離する)
・弱酸/弱塩基…電離度αが1よりも著しく小さいもの(水中で一部電離する)
→不安定で、ほとんど電離しない(水に溶けない)ため、加水分解すると矢印が「⇄」になる
式から見分ける方法:
・強酸…HNO₃(硝酸), HCl(塩酸), H₂SO₄(硫酸)
硝塩硫さん
・弱酸…CH₃COOH(酢酸) , HF(フッ化水素), HCN(シアン化水素), H₂CO₃(炭酸) , (COOH)₂(シュウ酸), H₂S(硫化水素)
大体強酸(硝塩硫さん)以外
・中程度の酸…H₃PO₄(リン酸)
・強塩基…Ca(OH)₂ , NaOH , LiOH , Ba(OH)₂ , KOH
かなりバカ
・弱塩基…Mg(OH)₂ , Be(OH)₂ , Cu(OH)₂ , Fe(OH)₂ , Fe(OH)₃ NH₃(アンモニア)
大体強塩基(かなりバカ)以外
塩・・・酸と塩基の中和で発生する物質→陰イオンと 陽イオンから成り、酸(H●)、塩基(OH◆)の形ではないもの。
強弱酸、強弱塩基からなる塩とは・・・塩は酸と塩基の中和で発生する物質であるから、もともと酸と塩基の2つの物質であり、その強弱がなんだったのかということ。その水溶液が酸性か塩基性かは関係ない。塩のなかの原子・分子をイオンにしたときに、ー(陰イオン)になる、H⁺がつくものは酸(H●の形になる)で、+(陽イオン)になる、OH⁻のつくものは塩基(OH◆になる)になり、そのもとの状態の酸/塩基の形から強弱も判断
正塩・酸性塩・塩基性塩・・・塩を化学式の見た目から3つに分類したもの。水溶液の性質とは関係ない。水溶液の性質を判断する材料となるもの。
正塩・酸性塩・塩基性塩の見分け方・・・
・正塩…H⁺になりうる酸のHもOH⁻になりうる塩基のOHも残っていない塩
例:NaCl₂ , NH₄Cl , Na₂CO₃ , CH₃COONa , CaCl₂ , CaSO₄
・酸性塩…酸のHが残っている
例:NaHCO₃ , NaHSO₄ , Ca(HCO₃)₂
・塩基性塩…塩基のOHが残っている
例:MgCl(OH) , CaCl(OH)
塩の水溶液の性質の見分け方・・・
(塩は固体になれ、水溶液のときに酸性・塩基性を示す)
・強酸と強塩基からなる塩…完全電離する
正塩→加水分解しない→中性
酸性塩→酸性
塩基性塩→塩基性
・強酸と弱塩基からなる塩…一部が水分子と反応(加水分解)し、酸性を示す
例:NH₄Clの水溶液 NH₄⁺+H₂O⇄NH₃+H₂O⁺
・弱酸と強塩基からなる塩…一部が水分子と反応(加水分解)し、塩基性を示す
例:CH₃COONaの水溶液 CH₃COO⁻+H₂O⇄CH₃COOH+OH⁻
強い方が勝つ!
・弱酸と弱塩基からなる塩…液性は判断しにくい
出題されない。出題されたとしてもリード文(ヒント)あり。
酸化還元反応・・・電子の受け渡しがある、その原子の持つ電子の数が変わる
酸化還元反応とほかの反応との見分け方・・・酸化数の変化する原子があるものは酸化還元反応
(以下酸化数を利用せずに見分ける方法)
・反応式の中に単体が入っている(単体は酸化数0であり、必ず変化するから)
・中和反応ではない(酸+塩基→塩+水)
・遊離ではない(弱酸の塩+強酸→強酸の塩+弱酸 / 弱塩基の塩+強塩基→強塩基の塩+弱塩基)
酸化数・・・+ーの符号をつけることを忘れない!
・単体中の原子の酸化数は0
例:H₂ , Cl₂ , Fe , He すべて0
・化合物中の各原子の酸化数の総和は0
例:H₂O:(+1)×2+(ー2)=0 , NH₃:(ー3)+(+1)×3=0
・化合物中の酸素原子Oの酸化数はふつうー2とし、水素原子Hの酸化数はふつう+1
例外:・H₂O₂ などの過酸化物のOの酸化数は-1
・CaH₂, NaH, LiH などの金属水素化物のHの酸化数は-1, OF₂でOの酸化数+2
かなりエッチな不一致(Ca/Na/Li H -(負)1)
上記二つの例外は電気陰性度の差から生まれる(ここら辺は知っておくだけでおk)
陰性が強さ、つまり陰イオンのなりやすさを表したのが電気陰性度。Fで最大。(過去の自分より)
・O₂⁻(二酸化イオン), O₃⁻(三酸化物イオン)ではまとめて酸化数-1として分数にしない。
・単原子イオンの酸化数は、そのイオンの価数に+-の符号をつけたのもの
例:Na⁺:+1 , Ca²⁺:+2 , Cl⁻:ー1 , S²⁻:ー2
※アルカリ金属(1族)の酸化数は+1
アルカリ金属:H , Na , K , Rb , Cs , Fr エッチな母ちゃんルービーをせしめてフランスへ
※アルカリ土塁金属(2族)の酸化数は+2
アルカリ土塁金属:Be , Mg , Ca , Sr , Ba , Ra ベーマー化するバラ
・多原子イオン中の各原子の酸化数は、そのイオンの価数に+-をつけた値に等しい
例:NH₄⁺
酸化剤・・・還元される、酸素を失い、代わりに水素・電子を受け取る、酸化数減少
還元剤・・・酸化される、酸素を受け取り、代わりに水素・電子を失う、酸化数増加
半反応式の酸化剤・還元剤の変化は覚えよう(省略)
★酸化還元反応で、酸化・還元滴定において、希硫酸を加え、硫酸酸性にする理由・・・
例:中性:MnO₄⁻(赤紫)+2H₂O+3e⁻→MnO₂(褐色)+4OH⁻
希硫酸加え酸性に
酸性:MnO₄⁻(赤紫)+8H⁺+5e⁻→Mn²⁺(無色)+4H₂O
MnO₄⁻(過マンガン酸イオン)は強力な酸化剤(酸化数+7)で、多くのH⁺を必要とし、中性では完全に還元しない。MnO₂(褐色)ができてしまう。
硫酸は水素イオン(H⁺)が豊富で、強い酸化作用を持ち、溶液を強酸性にすることで酸化作用を促進し、完全に還元させるため。Mn²⁺(無色)ができる。
★硝酸(塩酸)を利用しない理由・・・
硝酸(塩酸)は、濃硝酸や希硝酸自身が代表的な酸化剤であり、硝酸自身が還元剤と反応してしい、正確な定量ができないため、硝酸を利用する。
電子e⁻を含むイオン反応式(半反応式の作り方)
①H,O以外の原子の数を係数でそろえる
②O原子の数をH₂Oを加えてそろえる
③H原子の数をH⁺を加えてそろえる
④電荷をe⁻を加えてそろえる
結局、中和反応と遊離と酸化還元反応は別物であり、
・中和反応・・・・・(酸+塩基→塩+水)
・遊離・・・・・・・(弱酸の塩+強酸→強酸の塩+弱酸 / 弱塩基の塩+強塩基→強塩基の塩+弱塩基)
・酸化還元反応・・・(式中に単体があったり、酸化数の変化がある)
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